目合ひ

山風短(2) 剣鬼喇嘛仏 (KCデラックス)

山風短(2) 剣鬼喇嘛仏 (KCデラックス)

女と合体したまま戦うとかギャグ以外の何者でもない。
でも、超かっけー
そんな話。


いや、マジでかっこいいんだって。

げに素晴らしきは罪悪感

どーでもいいけど上の「げに」ってのは「現に」の音変化らしい。
なのに宛て字すると「実に」。
ややこしい。


家の前には蜂の巣がある。
たぶんアシナガバチ
最近の日課はその巣をタバコの煙で燻すこと。
そしたら、奴等、必死こいて羽動かして換気しようとしやがるんだ。
最初の頃、蜂の巣が或る程度育ったところで石投げて落としてやった。
で、落ちた巣を踏み潰したら黄色い粘液がブチュッと。


なんかね、意味不明の罪悪感を感じたのよ。
奴等は必死こいて巣を作って子供を育ててたわけだ。
毎日毎日幼虫の世話をして、自分たちのコミュニティを広げようと、巣をもっと大きくしようと。
そんなところを働いても居ない、やることも無い、社会生物としては底辺に居るような俺に呆気なく潰された。
悲しかったろうな、悔しかったろうなって。
そんな罪悪感。


勿論これは唯の投射行為で、昆虫に情動なんて存在しない。
言ってしまえば、昆虫なんて生体機械と大差ない。
でもこの罪悪感こそが素晴らしい。
胸をもやもやとさせる、燠火のように低音でじわりじわりとこの感情を炙る罪悪感。
なんかね、このある種の矛盾状態が俺に素敵な恍惚を与えてくれるんよ。


昔、親が作ってくれた弁当を間違って落としたときの罪悪感。
教師の好意を俺のミスで踏みにじったときの罪悪感。
行事で戦犯の一端を担ったときの罪悪感。
どれもこれも俺に素敵で愉快な恍惚を与えてくれた。


罪悪感だけじゃなく、ともかく心のもやもやは俺に快楽を提供する。
今の、就活の結果待ちの焦燥と精神を這い回る隔靴掻痒。
時に暴れまりたくなるような心の洞に陶酔する。


そんな感じで僕は今日も元気です。




あ、蜂さんはまた性懲りも無く巣を作り始めました。
最初は一匹一匹幼虫を引き吊り落として殺してたけど、おととい、勢い余って巣を焼いちゃった(テヘッ
まあ、形は残ってるから、これからの彼らの復興作業に期待だね。