狭き門

狭き門 (岩波文庫)

狭き門 (岩波文庫)

今日電車の中で読了。
基本的に読書タイムは学校帰りの電車なんで、ありえないほど読了までに時間が掛かるの俺の読書の特徴です。


で、この本も多聞に漏れず二週間近く読了までに時間を要しました。
話としては敬虔なキリスト教徒の二人の男女(従姉弟の間柄)が、互いに惹かれ合いながらも、魂の最上の得を目指すが為に想いを成し遂げられないと言うモノ、まあ、恋愛モノですわ。
タイトルは聖書の「力を尽くして狭き門より入れ」という一説からの引用。意味は割愛。
面白いのは女の方のほとんど狂信的とも言える信仰。
昨今の極度にキャラクタナイズされたそれとは違い、この本のそれはかなりリアル。
この本の主役二人の信仰は現代の特に日本人の俺等からすると理解し難いものがある。
とにかく面白い。というか、興味深い。amusingよりはinterestingに近い。
この主役二人は互いにかなり想い合ってるのにもかからずその根幹から宗教を外すことが出来ない。
それが原因で煩悶し、懊悩し、そして…ってな話。
ともかく心情描写とその見せ方が神。
ただ心情を描写するだけで無くそれを明かすタイミングとかが。


ただ、これは余り一般受けしなさそうなんで敢てお勧めはしない。
最後の訳者あとがきで気付いたがこれノーベル文学賞とってるらしい。