ソリティアトラップ

シナリオに放り込まれた俺たちは、シナリオライターを憎んだり、崇めたりしながら毎日を送ってます。
シナリオは壮大な人生譚です。
他人視点など存在しない、徹底的に一人称で進むシナリオです。
三人称すら存在せず、主人公である僕や貴方や貴方たちはすべてを知る事はかないません。
一から十まで描写して、山場があって普通終りと言うシナリオをクリアしても物語は続きます。
これでめでたし、ハッピーエンドはありません。
バットエンドは死亡エンドのみ存在します。
寿命エンドはある意味ではハッピーエンド。
これはゲームではありません。
行き成り存在して、勝手に誰かと恋仲になってキスをしてセックスして、困難を乗り越えてもエンドロールは流れません。
OPもEDも存在しない。
プレイヤーに選択肢はありません。
だってプレイヤーなどいない、シナリオライターだけが楽しめる究極のオナニーだからです。
そして僕達固有の人生という名のシナリオが与えられた主人公=我々はライターに言いたいことも言えず、届かない言葉を胸に囁く事でイベントを消化します。
でもこれが究極のオナニーなら主人公はシナリオライター本人であるはずです。
故にライターすら存在せず、僕等は一人遊びを続けるのです。
そして、誰にも読まれないシナリオを登場人物自身の手で進めるのです。
いえ、進めるのではなく、書き進めるのです。
物語は思い出すのではなく、思いついて進めるものです。
そうやって外部の存在は否定され、内部の存在だけが動くのです。






以上、エロゲ脳がお送りしました。